矯正治療について
※矯正歯科治療は公的保険適用外の自費(自由)診療です。
※個人差がありますが、治療期間は2~5年程度で月1回の来院で、24回~60回が目安となります。
リスク・副作用について
・矯正治療で歯を動かすことで、歯に痛みや違和感や、頭痛・発熱が起こることがあります。個人差はありますが、3日から1週間でおさまっていきます。
・矯正装置が唇や舌、粘膜に擦れることで、口内炎ができたり、傷がつきやすくなったりすることが あります。
・矯正装置を装着すると、歯磨きが複雑になり、磨き残しが増える傾向にあります。不十分な清掃状態が続くことで、虫歯・歯肉炎・歯周病に罹患しやすくなるため、自己管理と定期 的なメンテナンスの受診が必要になります。
・顎間ゴムの使用や定期的な来院、その他の指導(MFTなど)に対する協力が得られない場合、歯並びに影響がでるような習癖(頬杖や食事の際に片側のみで噛むなど)があると矯正治療が円滑に進行しないことがあります。
・矯正治療中には、咬み合わせや歯並びが随時変化します。それに伴い、咬み合わせや顎の関節に違和感や痛みがでたり、一時的に歯並びが以前より悪くなったりする場合があります。
・歯を動かすことで、歯根吸収(歯の根が溶けて短くなる)や歯の変色(神経の壊死)が起こることがあります。変色の原因はこの限りではありませんが、変色が軽度の場合には、矯正治療後のホワイトニングで改善できる可能性があります。
・歯を移動させた際に、ブラックトライアングル(歯と歯の間の三角形の隙間)や歯肉退縮が起こることがあります。そのような場合、ブラックトライアングル等の改善を目的とした歯の形態や大きさの修正を行うことがあります。
・必要に応じて、歯の形態の修正、咬み合わせの調整、歯の大きさの調整などを行う場合があります。
・歯の根が曲がっている場合や骨性癒着(歯と骨がくっついている状態)が起こっていると、歯が動かないことがあります。また、小帯(唇や頬にあるヒダ)の付着位置が悪かったり、骨隆起(歯を支える骨が膨らみコブのような形態になっている状態)があると、歯の移動を阻害する可能性があるため、矯正治療中にこれらを除去する処置が必要になる場合があります。
・接着型の矯正装置の場合、外れてしまうことがあります。外れてしまったときに、矯正装置を誤飲してしまう可能性がありますが、ほとんどの場合、自然に排泄されます。
・歯が動くスピード、治療の難易度、症例、使用する矯正装置によって治療期間が異なるため、目安として記載している治療期間や診断時にお伝えする予想治療期間が前後する可能 性があります。
・矯正治療中に金属アレルギーの症状がでる場合があります。
・矯正治療終了時に矯正装置を外す際、歯に小さな亀裂や傷がついてしまう場合があります。
・矯正治療終了後、保定装置を指示通りに装着していただけない場合、後戻りが起こることがあります。後戻りが起こる要因はこれに限らず、様々な要素が原因となり起こることがあります。
・矯正治療前後に、被せ物治療をやり直す必要がある場合があります。(特に、マウスピース型矯正装置を用いた治療の場合には、治療途中に被せ物の形態が変化すると、マウスピー スが合わなくなるため、治療前の処置が必要です)
・顎の成長、加齢、親知らず、歯周病などの影響により歯並びが変化し、再治療が必要になる場合があります。
カスタムメイドマウスピース型矯正歯科装置(インビザライン)について
カスタムメイドマウスピース型矯正歯科装置(インビザライン)は、薬機法対象外の矯正歯科装置であり医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。1997年FDA(アメリカ食品医薬品局)の認証を受けていますが、日本では、患者さんそれぞれに作成する装置であることや製作が機械で行われることから、医療機器としての矯正装置に該当しないこととなっています。
マウスピースに使用される材料そのものは薬事承認されており、安全にご使用いただけます。
入手経路については、インビザラインジャパン社から入手しており、歯列のデータを米国アライン社へ送信し、海外の工場で制作され日本へ空輸されたのち各歯科医院へ輸送されます。
カスタムメイドマウスピース型矯正歯科装置(インビザライン)も万能ではなくデメリットもあります。デメリットは、単独使用で治療できる症例はブラケットに比べて少ないことが挙げられます。また、装置の装着時間が守られないと、計画した歯列の移動が起こりにくいため効果が薄れてしまう可能性もあります。